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第10次ベトナム国医療支援に行ってきました

2018年01月29日

2017年9月にベトナム国ホーチミン、クアントリ、ダナンに第10次ベトナム国新生児医療支援に行ってきました。今回は、鉄道での移動がありかなりシビアな行程でした。1年半前に訪れたクアントリ省ドンハの新生児医療が進化していたので感激しました。

詳細はこちら。

第10次ベトナム国周産期新生児医療協力(2017.Sep)

目的
1.ベトナム国立ツーヅー周産期小児病院新生児医療指導(第10次)
ツーヅー病院新生児科Khoi医師による経時的な新生児医療統計を提示してもらい、現状把握と今後の展望を協議する。

2.ベトナム呼吸療法学会講演
日本における新生児呼吸管理法に関する講演

3.ベトナム国立クアントリ総合病院新生児医療指導(第2次)
小児科Nga医師から新生児医療の現状と前回からの改善点を提示してもらう。
クアントリ省内小児科医療施設医師に対して、新生児医療全般の講義を4日科に分けて行う。同時に、症例検討会を開き、具体的な新生児医療の指導を行う。

4.ベトナム国立フエ中央病院周産期センター新生児医療指導(第2次)
小児科Duc医師よりベトナム中部における小児医療の現状報告および、前回訪問時からの変化の報告。

目的地
ベトナム国、ホーチミン市、ドンハ市、フエ市

期間
2017年9月21日~29日

参加者
埼玉県立小児医療センター
総合周産期母子医療センター新生児科
部長 清水正樹
医長 菅野雅美
医長 閑野将行
常勤的非常勤 角谷和歌子
常勤的非常勤 新垣真弓

報告書

ベトナム国周産期新生児医療協力

1.ベトナム国立ツーヅー周産期小児病院新生児医療指導
2017年9月21-22日
ツーヅー病院新生児科Khoi医師による経時的な新生児医療統計を提示してもらい、現状把握と今後の展望を協議する。
今回の訪問で、明らかに早産児・低出生体重児の患者数が増加していた。120床のNICUのうち、約60床が早産児で満床であった。最小入院児は出生体重800g、在胎期間28週のSAGであった。極低出生体重児の入院数が増大しており、以前から問題としているが、数多くの保育器に3人ずつ新生児が収容されていた。バブルCPAPは適切に、必要な患児に使用されており、以前のような無意味なCPAPは減少していた。CPAPも一つの酸素配管から2人あるいは3人が100%酸素経鼻投与されていた。人工呼吸器管理は全体で1名以上が施行されおり、高頻度振動呼吸法HFOVも肺炎、胎便吸引症候群、呼吸窮迫症候群時に使用されていた。人工呼吸器の使用方法が明らかに安定化していた。ただし、血液ガス分析はほとんどされておらず、適切な呼吸器設定かどうかは、酸素飽和度モニターのみで行われおり、高SpO2,低CO2血症に関する意識はない。当然、未熟児網膜症の検査や脳室周囲白質軟化症の検査(CT.MRI)は行われていない。肺高血圧症に対する一酸化窒素吸入療法(NO吸入療法)の器械が導入されていたが、その使用方法についての知識がないため、まだ運用に関しては未定とのこと。次回以降に、NO吸入療法に関する講義・指導を依頼された。重症新生児仮死・低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法装置も導入されており、すでに10名近い治療歴があるとのことであり、発達フォローも行っていると説明された。感染対策に関しては、一部は改善していた。ほとんどすべての医療的処置を行う看護師が、積極的に擦式アルコール消毒薬を使っているようになったが、全く使わずに複数の患児に複数回の処置を行っている様子も見受けられた。もちろん、そのほとんどの処置が素手で行われている点は、あまり改善していない。やはりグローブ購入にかかる経済的困難さが表れている。
以上のような状況下、今までに指導してきた新生児医療が確実に導入されており、明らかに生存率は改善しているので、今後脳性麻痺、発達障害児の増加が問題となることを認識はしているようであった。

2.平和村(重症心身障碍者施設)訪問
2017年9月22日
平和村を訪問し、ダイオキシン(枯葉剤)による先天奇形児、脳性麻痺児の長期療養中の児の生活環境を視察した。早産児の増加及び、経済的困窮家族の増加により入所している患児数が増加していた。2年後に同敷地内に新しい療育施設ができるそうである。

3.ベトナム呼吸療法学会Vietnam Respiratory Society 2017 (VNRS 2017)
2017年9月23日
呼吸療法に関する以下の知見を得た。
・小児喘息に対する温熱療法の有効性
・閉塞性気道病変に対するオーダーメイドのシリコン製内ステント術の有効性
・RSウイルス感染症の流行性
・肺高血圧症に対する治療法

3.ベトナム国立クアントリ総合病院新生児医療指導(第2次)
2017年9月25-27日
小児科Nga医師から新生児医療の現状と前回からの改善点を提示してもらう。
クアントリ省内小児科医療施設医師に対して、新生児医療全般の講義を4日科に分けて行う。同時に、症例検討会を開き、具体的な新生児医療の指導を行う。
  
4.ベトナム国立フエ中央病院周産期センター新生児医療指導(第2次)
小児科Duc医師よりベトナム中部における小児医療の現状報告および、前回訪問時からの変化の報告。

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